SNSで見たあの空間へ――『SATELLITES』で広がる好奇心の旅

SNSで見た「宇宙の家」に惹かれて

SNSで偶然見かけた、プラダ青山で開催中の展覧会の写真。
それは、まるで子どもの頃に想像した“未来の家”のような、宇宙船のような空間でした。

「この中に立ってみたい。あの建物の中にも入ってみたい」
そんな気持ちに背中を押されて、展覧会『SATELLITES: NICOLAS WINDING REFN WITH HIDEO KOJIMA』に出かけてみました。

SATELLITES: NICOLAS WINDING REFN WITH HIDEO KOJIMA

知らない世界に足を踏み入れる――『SATELLITES』が描く記憶の宇宙

この展覧会は、デンマークの映画監督ニコラス・ウィンディング・レフンと、日本のゲームクリエイター小島秀夫による共同企画。
未来的なフォルムのテレビ、ミッドセンチュリー風の家具、カセットテープ…空間はどこか懐かしく、それでいて見たことのない世界。

テレビには二人の顔が交互に映し出され、裏側には基板や配線があらわに。静と動、物質と非物質、アナログとデジタル――それらが入り混じる不思議な空間に、「存在」と「記憶」のテーマが自然と染み込んでいました。

お二人の作品を知らなくても、その世界観に静かに没入していく体験はとても贅沢でした。

ベッドに向けてテレビが置かれている
ミッドセンチュリーインテリアが素敵
テレビの裏にはアナログな配線も
更衣室にはカセットプレーヤーも設置

やっと入れた、あのガラスの中――プラダ青山という建築

展示会場のプラダ青山店は、建築好きにはおなじみのスポット。
設計は、北京五輪の「鳥の巣」スタジアムでも知られる建築ユニット、ヘルツォーク&ド・ムーロン。ダイヤ型のガラスが建物を包み込む、表参道のランドマークです。

高級ブランドには縁遠い私でも、「この中に入ってみたい」とずっと思っていました。

表参道でもひときわ目を惹くガラスの建物
この階段も気になっていましたが、見学は不可でした

聴けなかったけれど、記憶に残った――カセットとEJECTボタンの魔法

この展示のユニークな仕掛けのひとつが「カセットテープ」。
かつては会場内に多数のカセットが置かれていたようですが、私が訪れた日は受付で4種類から1つを選ぶ形式に。お土産のように、手に取るだけでも気持ちが高まります。

帰宅後、我が家のヴィンテージオーディオに初めてカセットを入れてみました――が、残念ながら音は鳴らず。どうやら再生機能は壊れていたようです。

それでも、「EJECTボタンを2回押すとカセットが勢いよく飛び出す」この仕様がなんとも懐かしく、1970年代のプロダクトデザインに思いを馳せてしまいました。

わくわくしてカセットテープを入れてみた!
あまりにも勢いよく飛び出してきて驚いてしまった

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ラグジュアリーは、少しの勇気で手に入る

SNSで見た写真、気になっていた建物、そしてカセットテープというお土産目当て。
ちょっと不純な動機で訪れた展示でしたが、未知の世界に触れ、知らない作家を知るきっかけとなりました。

ゲームはあまりしませんが、レフン監督の映画には少し興味が湧いてきました。こんなふうに、予期しなかった“寄り道”が、自分の中の好奇心を刺激してくれる。だからこそ、展示や空間に身を置いてみることはやめられません。

ラグジュアリーブランドの扉を開けるのは、ちょっと勇気がいるけれど、そこには思いがけない発見が待っています。

無料で楽しめる非日常体験。
もし表参道に出かける機会があったら、ぜひ一度、あのガラスの中をのぞいてみてください。

▶ 展覧会情報

SATELLITES: NICOLAS WINDING REFN WITH HIDEO KOJIMA
📍プラダ 青山店(東京都港区南青山 5-2-6)
🗓️ 2025年4月18日(金)~8月25日(月)
🕚 午前11時~午後8時
📝 事前予約制(日時指定なし・氏名とメールアドレスのみ)
🔗 https://eventsphere.prada.com/#/rsvp/registrationForm?event=EV00008432
🌐 https://www.prada.com/jp/ja/pradasphere/special-projects/2025/satellites-prada-aoyama.html

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