毎年楽しみにしているフィンランド映画祭。
今年は2025年11月8日(土)~11月14日(金)に行われました。
5作品参加の中、3作品を選び渋谷のインバウンドの波に揉まれながら、3日連続で映画館ユーロスペースへ通いました。
1作品目〈オレンダ〉~ 孤島に響く赦しの物語

オレンダとは万物に宿る目に見えない力。人里離れた群島に浮かぶ小さな灯台島を舞台に、人間という不可解な存在の深淵を見つめる物語。
〈オレンダ〉感想
オペラ歌手ノラはどうしてこの島に来たのか。 司祭のナタリアはどんな人なのか。
なかなか状況が掴めないまま、スクリーンに映る薄暗く厳しい自然に自分も放り込まれ彷徨うようです。ストーリーが進みだんだんと繋がりが明らかになると、この二人の関係も近づいていきました。
神ではなく、この厳しい自然に、目の前にいるあなたに、赦しを求め合う二人の心が、荒々しい海と共鳴しているようでした。
少年は実在せず、オレンダを現しているのかと思いましたが、そこはちょっと読みすぎかな。
2作品目〈りんご泥棒〉~ 夜のヘルシンキ、若者たちの衝動

言葉にならない気まずい空気、ためらいがちに交わす会話。夜のへルシンキを駆けぬけながら、互いが抱える弱さと混沌としたエネルギーをわかちあうふたりの間には、やがてかすかな絆がうまれてゆく…。
〈りんご泥棒〉感想
お酒を飲んで騒ぎ、はちゃめちゃな行動をする。若者を描く映画にありがちな展開ではありますが、私自身は経験も気持ちも理解できず、苦手な飲酒の描写が延々と続くことに少し閉口してしまいました。 このような若者たちの描写、以前もフィンランド映画であったような気がします。これがフィンランドのリアルなのでしょうか。
表情のアップの多さが特徴的な映画でした。
3作品目〈消えない光〉~ 解き放たれた魂の叫び
創造する喜び、そして芸術の癒しの力をテーマに、うつ病や自傷行為に悩む人間を、温かなまなざしで希望やユーモアをこめて描く。劇中全ての演奏は楽譜なしでライブ録音された。

〈消えない光〉感想
故郷で旧友からほぼ無理矢理バンドに参加させられた才能あるフルート奏者の主人公。フルートを吹けない苦しさから最初は戸惑っていましたが、それでも次第に積極的に参加するようになっていきます。人はそれをよくある現実逃避だと言うでしょう。でも主人公の本当の逃避は、そんな他人の価値観からだったのだと思います。自分に必要な場所で、やはり音楽を選んだ主人公を応援したいと思う作品でした。この映画の女友達も、はちゃめちゃだったな。
まとめ
今までたくさんのフィンランド映画を観て来ました。フィンランド映画の私の勝手な印象は、厳しい自然、社会情勢、家族、老い、などの暗い影の部分を描きながらも、その根底や繋がりにある愛を教えてくれる作品が多いということ。今回の3作品もその特徴があると思いました。
それにしても今回は若者のはちゃめちゃぶりが私は気になりましたが、それがフィンランドらしさなのか、今の時代らしさなのかはわかりません。
それでも、暗闇の奥に静かに灯る“人へのまなざし”が、フィンランド映画の魅力だと思います。
来年もまた、そのまなざしに会いに行きたい、そんな気持ちで映画祭をあとにしました。

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