美しい住まいには、時代を超えて愛される理由がある──。
1920年代から1970年代にかけて、ル・コルビュジエやミース・ファン・デル・ローエ、アルヴァ・アアルトといった多くの建築家が機能的で快適な住まいを探求しました。
そんな住宅デザインの実験を追体験しながら、私たちの暮らしを見つめ直し未来を考える展覧会。建築家たちの暮らしへのまなざしに触れる、充実した時間を過ごしてきました。
国立新美術館と展示の概要
リビング・モダニティ 住まいの実験 1920s-1970s
国立新美術館 2025年3月19日(水)–6月30日(月)
▼詳しい展示内容はこちら(展覧会ホームページ)



建築模型と展示構成
今回の展示で驚いたのが、会場を遮るものがなく、回遊しやすかったこと。
14邸を「島」に見立て、それぞれのテーブルに各住宅の写真、映像、模型、設計図をはじめとする資料が展示されています。
会場全体にも各「島」にも回遊性があり、どこからでも自由に見ることができる構成でした。
人が少ない展示から見たり、気に入った展示に戻ったりと、何周もしてしまいました。
私が行ったのは春休み中だったからか、お子さんが模型を写真に収めるかわいい姿を多く見ました。
※写真OKの表示がある展示物以外、撮影は不可です。
「リビング・モダニティ 住まいの実験 1920s–1970s」会場風景



心に残ったトゥーゲントハット邸
私は、建築家ミース・ファン・デル・ローエのファンズワース邸が大好きです。
今回の展示はファンズワース邸ではなく、あまり良く知らなかったトゥーゲントハット邸を取り上げていました。
傾斜地を利用して市街地や庭園の自然が広がる窓からの眺望と、広々とした室内の観葉植物たちとの一体感は、住む人に癒しを与えてくれそうです。
この緑溢れる邸内を多角度から紹介する映像が素晴らしくて、続けて2回も観てしまいました。
この「島」に一番長くいたと思います。
ミースの特徴である開放的な空間構成、自然との調和、ガラスを多用することで内部と外部の境界を曖昧にしているところなど、私がミースのファンである理由そのものの建築でした。
もっとトゥーゲントハット邸を知りたくなり、本展示の図録はもちろん、帰宅してからはトゥーゲントハット邸関連の本を探して購入しました。

見逃していたロー・ハウス原寸大展示
1階がメイン会場で、2階の天井高8メートルの会場にミース・ファン・デル・ローエの未完のプロジェクト「ロー・ハウス」の原寸大展示があります。
なんと、私はこの2階の展示を知らずに帰り、悔しい思いをします。
原寸大での実現は世界で初めての挑戦、これを見逃したままではいられません。
2階の会場は誰でも無料で楽しめるとのこと、先日、再訪しました。
こちらは写真OKです。




実際の大きさで立ち上がるロー・ハウスは、静かな空間に凛とした存在感です。
展示室の照明が1日の移ろいを表現して色が変わっていきます。ゆっくり観てきました。
体感できる家具とちょっとした勇気
2階の展示には名作家具の数々を体感できるコーナーもあります。
椅子に座ってOKとなっていますが、平日の開館間もない時間で会場には私一人。
一人だからこそ、自由に座りますか?
私は一人だからこそ緊張して、座らずに帰った小心者です。(笑)



展覧会をもっと楽しむために(注意点)
楽しく観ていただくために、少し注意していただくことがあります。
先ほども書きましたが、1Fの展示は写真OKの表示がある展示物以外、撮影は不可です。
私は入口の展示が写真OKと案内されたのを、全部の展示OKなのかと勘違いし、写真を撮ろうとして注意を受けました。これ、恥ずかしいですよね。 ⁄(⁄ ⁄•⁄ω⁄•⁄ ⁄)⁄
ただし、展示の説明パネルは作品ではないので撮影OKとのこと。
分かりにくいので学芸員さんに聞いてから撮影することをおススメします。
そして、メモをするならえんぴつ以外は不可です。ボールペンでメモって注意受けたのも私です。
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「住まい」を見つめ直す良い機会となる展覧会でした。
美しい生活空間を追い求めてきた建築家たちの情熱が、今も私たちの生活に静かに息づいています。
わたしたちの暮らしの未来を探しに、ぜひ出かけてみてください。
私はもう一度行きたいです。
国立新美術館自体が黒川紀章設計の美しい建築です。
建築だけを見に行くのも、2階の無料展示だけでも十分に楽しめます。
館内いたるところにある名作椅子に座るのもお忘れなく~!



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私が買ったミースの本 写真が美しいです。
アルヴァ・アアルトの本も買いました。
ミース・ファン・デル・ローエ バルセロナチェア
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