小さな名作と大きな余韻──VILLA COUCOU見学記

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フランス語で「小さくて可愛いもの」を呼ぶ言葉としても使われる「CouCou」
そんな愛称をもつ小さな古い住宅、VILLA COUCOU(ヴィラ・クゥクゥ)を見学してきました。

VILLA COUCOU(ヴィラ・クゥクゥ)とは

1957年に完成した東京都渋谷区西原にある建築家の吉阪隆正が設計したコンクリート造りの洋館です。
吉阪隆正氏と施主のフランス文学者近藤等氏は、早稲田大学の山岳部仲間でした。
60年以上たつこの建築の現状を知った現オーナーが、「壊されてはいけない」、「残さなければいけない」と継承をしました。
改修後の2024年6月から一般に公開しています。(予約制)

近藤夫人のニックネーム「COUCOU(クゥクゥ)」に由来します

建築家・吉阪隆正(よしざか・たかまさ)

吉阪隆正は戦後復興期から1980年まで活躍した建築家です。
巨匠ル・コルビュジエに師事し、日本建築学会賞を受賞した《アテネ・フランセ》、東京都選定歴史的建造物に指定された《大学セミナー・ハウス 本館》など、コンクリートによる彫塑的な造形を持った独特の建築で知られています。

印象的だった室内の工夫

道路からみた外観がとても小さくて驚きました。
その外観からイメージするのは暗いコンクリートの箱。
でも室内は、想像とは全く違う明るい広がりのある空間でした。

天窓がもたらす自然光
壁から突き出た片持ち階段。埋め込まれた色ガラスがアクセントに
大開口の窓の外には杉本博司氏による美しいテラス

室内は、書斎やキッチン、くつろぎ感のあるダイニング、そして落ち着きのある2階寝室まで、どこも工夫に満ちた美しい空間でした。

現代美術家の杉本博司氏が庭の設計デザインをされました。

苔も美しい庭
きれに並んだ竹箒が生垣に

現オーナーの想い

現オーナー、「管理人」となった俳優鈴木京香さんの継承の想いが知れる
NHKクローズアップ現代の取材記事はこちら

【動画・記事】鈴木京香さん 私が名建築・VILLA COUCOUを受け継いだ理由 - クローズアップ現代
閑静な住宅街にたたずむ洋館「VILLA COUCOU(ヴィラ・クゥクゥ)」。私財を投じて引き継ぎ、管理人になった俳優・鈴...

一般公開について

クゥクゥにちなんで毎月9のつく日(9日・19日・29日)を一般公開日としています。
予約は peatixサイト「VILLA COUCOU」からです。
公開日程や申込開始日はインスタグラムでもお知らせしています。@villacoucou_tokyo
※ 各回45分間/定員入替制
【見学料】 1,000円

ヴィラ・クゥクゥでは写真撮影が可能です。ブログ掲載も快諾いただいています。
動画撮影はNGです。マナーを守って、これからも多くの方に貴重な体験をしてもらいたいですね。

見学を終えて

予約開始日をいつも忘れて、やっと5月に見学の機会を得ることが出来ました。
小さな住宅で、少人数(多分10人ほど)の見学は、45分間で十分に堪能できます。

住宅は本当に素晴らしかったのですが、何よりスタッフさんのホスピタリティの素晴らしさ。
質問の対応から、見どころの説明、お見送りまで!見学の満足度はスタッフさんのおかげでもあります。ありがとうございました。

静かで豊かな45分間。コンクリート住宅のデザイン、室内の光と影、そして人の手によって守られてきた小さな住宅の物語。またひとつ、大切にしたい場所が増えました。

感動の余韻をカフェで

ヴィラ・クゥクゥから徒歩5分、パドラーズコーヒーで写真を眺めながら余韻を楽しみました。

テラス席が気持ちいい季節
ボリュームあるチョコレートケーキ

 

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